【徹底解説】工事現場に向く敷板は?プラスチック敷板とその他の養生

工事現場で敷板を使いたいけど、どんな敷板を選べばよいのかわからない!というお悩みはありませんか?プラスチック敷板とそのほかの養生について比較検討してみました。

工事現場で敷板が必要なのはなぜ?

工事現場で敷板が必要になる理由は、主につぎの2つが挙げられます。

① 人や車両が安全に通行するため

地盤が軟弱な工事現場で作業する場合、そのままの状態では人が歩いたり車両が通ったりすると不安定になり、転倒の危険があります。また、車両のタイヤがスリップしたり、沈み込んでしまったりして、走行できなくなることもあります。安全に工事作業を進めるために、敷板を使って地盤を養生する必要があります。

② 地面を傷つけないようにするため

インターロッキングや御影石などの上を車両が走行するとき、そのままの状態では傷がついてしまうことがあります。また、タイヤについた土や泥が落ちて、地面を汚してしまうこともあります。そうした傷や汚れが地面につかないようにするために、敷板を使って地盤を養生する必要があります。

地盤養生として昔から使われている敷鉄板のほかに、最近はプラスチック敷板を使う現場が増えてきているようなのですが、プラスチック敷板にはどんな特徴があるのでしょうか?いろいろな地盤養生と比べてみました。

なお、本記事では地盤養生のために地面に敷く板を「敷板」と呼んでいますが、板を意味する英語「ボード」を使って、「養生ボード」「軽量ボード」と呼ばれることもあるようです。ただ、その場合は住宅の建築現場や引越などの用途向けに作られた板を指すこともあるため、使い分けに注意が必要です。

プラスチック敷板とコンパネ・合板

合板は薄いベニヤ(板)を重ねたもので、コンパネも合板の一種です。家の棚をつくったりなどDIYでもよく使われるもので、ホームセンターで購入できます。

重さも10kg前後と軽いのが特徴ですが、割れやすく、水に弱いのが難点。そのため屋外の工事現場には不向きです。

コンパネ

プラスチック敷板はその名の通りプラスチック(樹脂)でできた敷板で、樹脂敷板、プラ敷き、もしくはプラシキと呼ばれることもあります。プラスチックなので耐水性は抜群!重さは20〜40kg前後ありますが、手持ち用の穴がついているので持ち運びも簡単。サイズが小さいものは女性ひとりでも運べます。また、プラスチック敷板の中には耐荷重120t対応の強化型プラスチック敷板もあります。

こうじばん4×8  

メリット

デメリット

プラスチック敷板

割れにくく、長持ちする

耐水性がある

耐荷重がある

コンパネ・合板に比べて価格が高い

コンパネ・合板

プラスチック敷板に比べて価格が安い

割れやすい

割れると木のささくれが出て危険

水に弱く、腐りやすい

すべり止めがないためズレやすい

連結穴がないため連結できない

プラスチック敷板とゴムマット

合板・コンパネと同じようにホームセンターなどで手軽に購入できるゴムマットですが、工事現場の地盤養生には使えるのでしょうか?

駅ホーム改修に使われるゴムマット

駅ホーム改修に使われるゴムマット

結論からいうと、あまり向いていません。そもそもゴムマットはコンクリートの上に敷くのが前提で、トラックが走っただけで破けてしまうことも。車が通る場所であればプラスチック敷板がおすすめです。プラスチック敷板は耐荷重があるため、大型車の往来が多い工事現場に向いています。

 

メリット

デメリット

プラスチック敷板

硬くて丈夫、割れにくい

長持ちする

運びやすい

耐荷重がある

ゴムマットに比べて価格が高い

ゴムマット

ホームセンターなどで購入できる

軽量

弾力性がある

プラスチック敷板に比べて価格が安い

破れやすい

柔らかいため運びにくい

プラスチック敷板と敷鉄板

プラスチック敷板の魅力は、なんといっても持ち運びと設置が簡単なこと。300kg以上ある敷鉄板に比べて、プラスチック敷板は20〜40kgと軽いので1人〜2人で持てます。

また、敷鉄板のようにクレーンを使う必要がなく、地面に並べるだけで設置完了。敷鉄板よりもはるかに少ない時間で敷くことができます。もちろん撤去するときも人の手で簡単にできます。

鉄板に比べてプラスチック敷板は強度が低いのでは…という不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、心配ありません。耐荷重120tのプラスチック敷板もあり、ほとんどの工事車両が問題なく通れます。

十分な強度があり、設置も簡単。さらに敷鉄板に比べて価格も安い。プラスチック敷板はかなりコスパのいい敷板だと言えますね。

 

メリット

デメリット

プラスチック敷板

軽い

柔軟性がある

人の手だけで施工できる

施工に時間がかからない

敷鉄板に比べて価格が安い

敷鉄板に比べて強度が低い

固定しないとずれてしまうことがある

敷鉄板

溝や穴をふさぐことができる

プラスチック敷板に比べて強度がある

施工に時間がかかる

プラスチック敷板に比べて価格が高い

プラスチック敷板と砂利

敷板ではありませんが、工事現場や駐車場では砂利を敷くこともありますよね。ですが、地盤養生には向いていないかもしれません。

砂利

砂利は見てのとおり、小石がたくさん集まったものです。この上を車がなんども走ったらどうなるでしょうか?そう、砂利が移動してしまうんです。タイヤの通ったあとがはっきりと残ってしまって、でこぼこになってしまっている駐車場をたまに見かけますよね。轍があると、水たまりもできやすいです。

砂利敷きの場合、轍や水たまりを防ぐ対策は、定期的に砂利を平らにならす等のメンテナンスを行うことです。砂利の飛散を防止するマットや、砂利を固めるスプレーも売っているようです。

定期的に砂利を平らにならす作業は、想像以上にたいへんなもの。その点、プラスチック敷板なら一度敷いたら、メンテナンスは基本的にしなくてOK!職人さんの作業を減らすことができます。

 

メリット

デメリット

プラスチック敷板

手軽に設置できる

繰り返しの車両走行にも耐えられる

砂利に比べて価格が高い

砂利

価格が安い

手軽に購入できる

繰り返し車両が走行するとわだちができてしまうため定期的にメンテナンスが必要

プラスチック敷板とコンクリート

コンクリート舗装も、敷板ではありませんが地盤養生としてよく利用されている方法です。

コンクリート舗装は丈夫で長持ちしますが、舗装や剥がす作業にかなりの時間がかかってしまいます。となると、建物の建設や工事が終われば撤去する工事現場には適していませんね。工事現場をはじめとした仮設現場で使うなら、プラスチック敷板がおすすめです。

 

メリット

デメリット

プラスチック敷板

少ない作業人数で敷設・撤去ができる

短時間で敷設・撤去ができる

敷設面積が広くなると費用が増える

コンクリート

耐久性が高い

施工面積が広くなると安くなる

施工日数がかかる

原状復帰が難しい

 

いかがでしたでしょうか。こうして見てみると、使う場所や状況に合わせて地盤養生を選ぶのが良さそうですね。

最後に地盤養生の特徴についてまとめてみましたので、よろしければ参考にしてみていただければと思います。

地盤養生の比較表

プラスチック敷板の活用例

プラスチック敷板のコスパがいいのはわかったけれど、実際にはどんなところで使われているの?と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?

一部ではありますが、プラスチック敷板の活用例を写真とともにご紹介します。

【仮設道路】
工事現場の入口から実際に作業をする場所までの通り道がぬかるんでいて、工事車両が通れない!そんなとき、車のタイヤにそってプラスチック敷板を2列に並べていけば、仮設道路になります。

【仮設駐車場】
期間限定のイベントで必要になる駐車場や、現場事務所の駐車場。舗装されていない土地で、雨が降ったらぬかるんでしまう。そこに車両が頻繫に行き来すると、泥がはねたり、スリップしてしまったりします。また、期間が過ぎたら原状復帰しなければなりません。プラスチック敷板なら、人の手で面状に並べるだけで仮設駐車場が完成!撤去も人の手で運べるので簡単です。

【工事現場の出入口】
頻繁に車両が往来する工事現場の出入口。ワダチができてしまったり、雨が降って水溜りができてしまったり・・・タイヤについた泥で道路が汚れてしまうことも。プラスチック敷板なら数枚敷くだけで簡単に養生ができます。また、敷板の表面に滑り止めの凹凸があれば、タイヤについた泥を落としてくれます。

プラスチック敷板の活用事例をもっと詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
実例紹介

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